大学生が一人暮らしをする際の初期費用の相場は?内訳や安く抑えるポイントを解説

大学進学を機に、一人暮らしを始める学生は少なくありません。自由な暮らしに憧れを抱く一方で、気になるのが「初期費用」の問題ではないでしょうか。
賃貸物件を借りて一人暮らしを始めるとなると、家賃の他に、契約時に必要な各種費用、家具・家電の準備、引越し代などがかかり、予想以上に出費がかさむことも。
では実際に、大学生が一人暮らしを始めるには、どれくらいの費用が必要なのでしょうか?
この記事では、初期費用の相場とその内訳、そして費用をできるだけ抑えるためのポイントを具体的に紹介します。無理のないスタートを切るために、ぜひ参考にしてください。
目次
大学生が一人暮らしをする際の初期費用の相場
大学生が一人暮らしを始める際の初期費用は、物件の条件や選ぶサービスによって大きく異なります。また、家賃に関する費用だけでなく、家具家電の購入や引越し代、生活用品の準備にもお金がかかるため、想定より出費がかさむことも。
以下に、主な費用項目ごとの相場をまとめました。ただし、あくまで目安となる金額です。個々の状況によって大きく異なる場合もあります。あくまで参考程度に御覧ください。
費用項目 | 内容の例 | 金額の目安 |
---|---|---|
敷金 | 家賃1ヶ月分(退去時の原状回復費用など) | 5~7万円 |
礼金 | 家賃1ヶ月分(貸主への謝礼) | 5~7万円 |
仲介手数料 | 家賃1ヶ月分+税(不動産会社への手数料) | 約5.5~7万円 |
前家賃・日割り家賃 | 契約開始日から翌月分までの家賃 | 5〜7万円 |
火災保険料 | 入居時に2年間分を一括で支払うことが多い | 約1万5千〜2万円 |
家具・家電購入費 | ベッド、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジなど | 10〜15万円 |
引っ越し費用 | 業者利用または家族・友人に依頼 | 2〜10万円 |
初月の生活費 | 食費、光熱費、日用品など | 5〜7万円 |
合計 | 約40~60万円 |
初期費用の内訳
初期費用の項目ごとの目安がつかめたら、次はその中身をもう少し詳しく見ていきましょう。それぞれの費用がどんな目的で必要になるのかを知っておくことで、納得して支払いに備えられたり、無理のない節約ポイントが見えてきたりします。
ここでは、大学生の一人暮らしでよく発生する初期費用について、わかりやすく解説していきます。予算計画を立てる際の参考にしてみてください。
不動産会社に支払う費用
一人暮らしを始める際、最も大きな出費のひとつが、不動産会社に支払う初期費用です。主に発生するのは、敷金・礼金・仲介手数料・前家賃などで、これらを合計すると家賃の4〜6ヶ月分が相場とされています。
たとえば家賃が6万円の物件であれば、初期費用だけで24万〜36万円になることもあります。
敷金は退去時の原状回復費用などに充てられる保証金で、礼金は貸主への謝礼として支払うもの。最近では敷金・礼金不要の物件も増えていますが、その分家賃が割高なケースもあるため注意が必要です。
仲介手数料は物件を紹介してくれた不動産会社に支払う費用で、宅地建物取引業法(宅建業法)で、家賃の1ヶ月分+消費税が上限と定められています。中には家賃の半月分としている不動産会社もあるので、業者選びの参考にしてください。
また、契約開始月の前家賃なども発生するため、見落とさないようにしましょう。
家具家電を購入する費用
新生活を始めるにあたって、家具や家電の購入費も初期費用として見込んでおく必要があります。主な購入品には、ベッド・カーテン・テーブル・照明などの家具類と、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ・炊飯器・掃除機などの家電製品が含まれます。これらを新品で一通りそろえると、かかる費用は10万〜15万円程度が相場です。
家電量販店やインターネット通販の「一人暮らし用セット」などを活用すれば、比較的割安にまとめて購入することも可能です。また、家具家電付きの賃貸物件を選べば、この費用を大幅に抑えられる場合があります。
節約を意識するなら、リサイクルショップやフリマアプリを活用するのも一つの手段ですが、品質や保証の有無には注意が必要です。特に冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は設置費や運搬費もかかることがあるため、事前に費用の総額を確認しておくと安心です。
引越しに必要な費用
引越しにかかる費用は、移動距離や荷物の量、業者の選び方によって大きく異なります。相場は2万〜10万円程度ですが、遠距離の移動や繁忙期(2〜3月)の引越しでは、それ以上になることもあります。
節約を重視するなら、家族や友人に手伝ってもらったり、レンタカーを使って自力で運ぶ方法も。ただし、時間や体力の負担、荷物の破損リスクにも注意が必要です。
また、不動産会社が提携している引越し業者を紹介してくれるケースもあります。紹介経由の場合、割引が適用されたり、段ボールなどの資材が無料でもらえるといった特典がつくことも。こうしたサービスは、自分で手配するよりもコストや手間を抑えられる可能性があるため、契約時に確認してみるのがおすすめです。
引越し費用は見積もりを取るまで正確な金額が見えにくいため、早めに複数の選択肢を検討しておくと安心です。
1ヶ月分の生活費
初期費用として考えるべき生活費には、入居後すぐに必要となる食費・光熱費・通信費・日用品費・交際費などが含まれます。家賃は契約時に1ヶ月分を支払い済みであることが多いため、ここでは家賃を除いた5万〜7万円程度を目安に準備しておくと安心です。新生活を始めるときは、日用品の買い足しや予期せぬ出費が生じやすく、余裕を持った資金計画が重要です
また、入居後に継続してかかる「通常の生活費」も把握しておく必要があります。家賃が6万円の場合、光熱費や水道代が約1万円、食費が2万〜3万円、通信費が5,000円〜8,000円、日用品費や交際費を含めて合計で月9万〜11万円程度が一般的な目安です
毎月の支出を想定しておくことで、初期費用だけでなく日々の暮らしを見据えた現実的な予算設計につながります。
大学生の一人暮らしで初期費用を抑えるためのポイント

初めての一人暮らしは、期待と不安が入り混じるもの。特にまとまった初期費用は、学生や保護者にとって大きな負担となります。しかし、物件の選び方や工夫次第で費用を抑えることは十分可能です。
ここでは、敷金・礼金なし物件や家具家電付きの部屋など、初期費用を軽減するための具体的なポイントを紹介します。無理なく新生活をスタートさせるために、ぜひ参考にしてください。
敷金礼金なし物件を選ぶ
初期費用を抑えたい場合、「敷金・礼金なし」の物件を選ぶことで、大きな負担軽減につながります。一般的に敷金や礼金はそれぞれ家賃1ヶ月分が相場とされており、家賃が6万円なら合計12万円の節約に。特に学生向けの賃貸物件や都市部では、こうした条件の物件も多く、不動産情報サイトでも「敷金・礼金なし」での検索が可能です。
ただし、注意したいのは、初期費用が抑えられる一方で、他の費用や条件に影響する場合があること。たとえば、敷金がないと退去時の修繕費が実費負担となる可能性があり、礼金が不要でも家賃が相場より高めに設定されているケースもあります。
契約時には、初期費用の総額や家賃や共益費といった長期的な支出も含めて、物件全体のコストを比較検討しましょう。不動産会社に「初期費用を抑えたい」と明確に伝えることで、条件に合う物件を紹介してもらいやすくなります。
家具家電付き物件を選ぶ
家具や家電を新品で一からそろえるには10万円以上かかることも。これは初期費用の大きな負担となります。そこで検討したいのが、家具家電付きの賃貸物件という選択肢。ベッドや机、冷蔵庫、電子レンジなど、生活に必要な設備があらかじめ備え付けられているため、入居直後からすぐに暮らし始められるのが魅力です。
特に一人暮らしを始める学生にとっては、引っ越しの手間やコストを減らせるうえ、短期間の入居にも適しています。ただし、家具家電付き物件は通常の賃貸と比べて数が限られており、希望するエリアや条件では選択肢が少ないことも。そのため、物件探しは早めに始めるのがおすすめです。コスト面と利便性のバランスを考えて検討しましょう。
引越しを家族や友人に手伝ってもらう
引越し費用を抑える方法として、引越し業者を使わず、家族や友人に手伝ってもらうという方法もあります。引越し業者に依頼すると、荷物の量や距離、時期によって数万円から10万円以上かかることもあり、その分のコストを節約できます。
ただし、注意点もあります。家具や家電の運搬にはコツが必要で、慣れない人が運ぶと壁や床を傷つけたり、作業中にケガをしてしまうリスクも。特に階段や狭い通路のある物件では慎重な対応が求められます。
また、家族や友人に頼む場合は、引越し日程の調整が必要です。年度末など引越しが集中する時期だと、スケジュールが合わず頼みにくいことも。加えて、万が一のトラブルが起きた際、責任の所在があいまいになりがちなのもデメリットです。
そのため、事前に作業の流れや役割分担をしっかり確認し、無理のない範囲で協力をお願いすることが大切です。引越しが終わったら、感謝の気持ちを言葉や差し入れなどできちんと伝えることも忘れずに。
まとめ
大学生の一人暮らしには、敷金・礼金・仲介手数料といった契約時の費用から、家具家電の購入費、引越し費用、生活用品の準備まで、さまざまな初期費用がかかります。全体で40万〜60万円程度が目安となりますが、選ぶ物件や準備の工夫次第で節約することも可能です。
たとえば、敷金礼金なしの物件や家具家電付きの部屋を選ぶことで、初期費用の負担を軽減できます。また、引越しを家族や友人に手伝ってもらえば、業者費用を抑えることも。ただし、条件に制限があったり、トラブルのリスクもあるため、事前の確認や準備が欠かせません。
初期費用は、新生活のスタートラインを左右する大きな要素です。相場を知り、予算に応じた選択肢を検討することで、無理のない一人暮らしを始めることができます。しっかり計画を立てて、安心して新生活を迎えましょう。