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鉄筋コンクリート造と鉄骨造の違いは?それぞれのメリット、デメリットもご紹介
賃貸サイトを見ていると、「鉄筋コンクリート造」「鉄骨造」など、建物の"構造"が必ず書かれています。でも、そもそも何が違うのか、暮らしにどんな影響があるのか、いまいちピンとこない......という人は多いはず。
建物は"どんな材料と工法でつくられているか"によって、住むうえで重要な遮音性・断熱性・耐震性、さらに家賃まで大きく変わってきます。この記事では、鉄筋と鉄骨それぞれの特徴やメリット・デメリットを、専門的なポイントも押さえながら分かりやすく解説。
初めての部屋探しでも、あなたの暮らしに合う"ちょうどいい住まい"を見つけるヒントになります。
目次
鉄筋と鉄骨の基本的な違いとは
物件情報に記載される「鉄筋コンクリート造(RC造)」と「鉄骨造(S造)」は、建物を支える仕組みがまったく異なります。
鉄筋コンクリート造は、鉄の棒(鉄筋)を組み、そのまわりをコンクリートで固めてつくられる構造。一方、鉄骨造は、鉄の柱や梁を組み合わせて骨組みをつくり、その上に壁や床を仕上げていく構造です。
まずはこうした"つくり方"の違いを理解しておくことで、後のメリット・デメリットがよりわかりやすくなります。
鉄筋コンクリート造(RC造)とは
鉄筋コンクリート造(RC造)は、鉄の棒(鉄筋)でできた"骨組み"にコンクリートを流し込み、固めてつくる建物の構造です。
鉄筋は引張力、コンクリートは圧縮力に強く、この2つを組み合わせることで強度が高くなります。主に中層〜高層のマンションで使われる工法で、重い材料を使うぶん、どっしり安定した建物になりやすいのが特徴です。
賃貸物件でも一般的で、「しっかりしたマンション」と聞くと、このRC造をイメージする人も多い構造です。
鉄骨造(S造)とは
鉄骨造(S造)は、鉄の柱や梁を組み合わせて建物の骨組みをつくる構造です。
使われる鉄骨には種類があり、比較的軽い素材を使う「軽量鉄骨」と、より厚みがあって頑丈な「重量鉄骨」に分かれます。軽量鉄骨は低層のアパートで、重量鉄骨は中層のマンションで使われることが多く、同じ"鉄骨造"でも建物の規模や雰囲気が変わります。
賃貸物件でもよく見かける構造で、建物のつくり方として身近なタイプのひとつです。
防音性の違い
建物のつくりによって、室内に伝わる音の感じ方は大きく変わります。
一般的に、コンクリートで壁や床をつくるRC造は素材自体が重く密度が高いため、生活音や外の音が伝わりにくい傾向があります。
一方、鉄骨造は壁や床の内部に空間ができやすい構造で、足音や話し声などの音が響きやすい場合があります。
ただし、どの構造でも壁の厚さや床材、防音施工の有無によって性能は大きく異なります。構造だけでなく、実際のつくりも併せて確認することが大切です。
鉄骨造(S造)のメリット
鉄骨造(S造)は、鉄を使ったしっかりした骨組みが特徴の構造で、賃貸でも広く採用されています。RC造に比べて建物の重量が軽く、工事期間やコストを調整しやすいことから、比較的家賃を抑えた物件が見つかりやすい点が魅力です。
また、軽量鉄骨・重量鉄骨と種類があり、建物の規模に合わせてバランスよく使い分けられています。「広さや立地は妥協したくないけれど、できれば家賃も抑えたい」という人にとって、選択肢のひとつになりやすい構造です。
家賃が低い傾向にある
鉄骨造(S造)の物件は、同じエリアで比較するとRC造より家賃が低めに設定されることがよくあります。これは、建物をつくるためのコストに差があるためです。
鉄骨造は建物の重量が軽く、使う材料や工事工程が比較的シンプルなため、建築費を抑えやすいという特徴があります。建築費が低いと、そのぶん賃料も高くなりにくく、同じ広さ・立地でも手頃な家賃の物件が見つかりやすくなります。
予算を抑えたい人にとって、現実的に選びやすい構造です。
一定の耐久性がある
鉄骨造(S造)は、鉄の柱や梁で骨組みをつくるため、住宅として十分な耐久性を備えた構造です。
鉄骨は木造より強度が高く、長期間の使用でもゆがみが起こりにくいのが特徴です。また、同じ鉄骨造の中でも、厚みのある鋼材を使う重量鉄骨は、RC造ほどの重厚さはないものの、よりしっかりした骨組みになります。
こうした特性から、鉄骨造は低層アパートから中層のマンションまで幅広く採用されており、賃貸アパートでも長く使われている、信頼性のある構造です。
鉄骨造(S造)のデメリット
鉄骨造(S造)は家賃の手頃さや十分な耐久性など、魅力の多い構造ですが、住み心地の面では注意しておきたい点もあります。
特に、壁や床のつくり方によっては音が伝わりやすかったり、外気の影響を受けやすかったりする場合があります。また、同じ"鉄骨造"でも軽量鉄骨と重量鉄骨では性能に差があるため、物件ごとに特徴を確認することが大切です。
ここからは、鉄骨造を選ぶ前に知っておきたいポイントを、整理してご紹介します。
遮音性が低い
鉄骨造(S造)は、壁や床の内部に空間ができやすい構造のため、RC造に比べると音が伝わりやすい傾向があります。とくに軽量鉄骨では、壁の厚さや仕上げ材によって、生活音が響きやすくなるケースも少なくありません。
一方で、大手ハウスメーカーの物件では、床材の構造を工夫したり、防音性能を高める独自システムを採用したりすることで、一般的な鉄骨造より遮音性を高めているケースも見られます。
内見では実際の音の伝わり方を確認し、あわせて物件資料に「床構造」「壁の仕様」などが記載されていないかをチェックしましょう。不明点は担当者に質問してみましょう。
関連記事:軽量鉄骨造の防音性は低いの?特徴や自分でできる対策をご紹介
断熱性が低い
鉄骨造(S造)は、壁や床の内部に空間ができやすい構造のため、外気の影響を受けやすく、RC造に比べると室内の温度が変化しやすい場合があります。とくに軽量鉄骨では、断熱材の量や施工方法によって、夏に暑さを感じやすかったり、冬に室内が冷え込みやすくなることがあります。
一方で、近年は賃貸でも「ZEH(ゼッチ)=断熱性や省エネ性能に優れた住宅」の基準を満たした物件が増えており、高い断熱性能や省エネ性能を備えた住まいが選べるようになってきました。断熱仕様などの詳細は物件資料で確認し、不明点は担当者に相談すると安心です。
鉄筋コンクリート造(RC造)のメリット
鉄筋コンクリート造(RC造)は、鉄筋の骨組みをコンクリートで固めてつくられる、重く丈夫な構造です。その特性から、住み心地の面でもメリットが多く、賃貸物件でも人気の高い構造のひとつです。
とくに、外からの音が伝わりにくい点や、建物自体が揺れにくい点は、安心して暮らすうえで大きな魅力といえます。また、気密性が高いため、冷暖房が効きやすく、季節ごとの温度変化を受けにくい傾向もあります。
ここでは、RC造ならではのメリットを、暮らしに直結する視点で整理してご紹介します。
遮音性が高い
鉄筋コンクリート造(RC造)は、壁や床がしっかりしたコンクリートでできているため、音が伝わりにくく、静かに暮らしやすい構造です。上下階や共用廊下からの音が気になりにくい点は、RC造ならではの大きな魅力といえます。
ただし、同じRC造でも、壁の厚さや床のつくりなどによって静かさの感じ方が変わることがあります。より静かな住まいを選びたい場合は、物件資料に「壁のつくり」「床の厚さ」などの記載がないかを確認し、担当者に音の伝わりやすさについて質問してみると安心です。
関連記事:鉄筋コンクリート造(RC造)の防音性能はどれくらい?防音対策と合わせてご紹介
災害に強い
鉄筋コンクリート造(RC造)は、鉄筋のまわりをコンクリートで一体化させてつくるため、建物自体がとても頑丈で、地震の揺れに強い構造です。コンクリートは重く、建物がブレにくいことから、地震の際に安心感がある点が大きな魅力です。
また、火にも強い材料でできているため、火災時に建物が燃え広がりにくい特徴もあります。もちろん、建物ごとの設計や築年数によって性能は異なりますが、災害への備えという面では、RC造は安心して暮らしやすい構造のひとつといえます。
鉄筋コンクリート造(RC造)のデメリット
鉄筋コンクリート造(RC造)は、静かさや安心感など多くの魅力がありますが、住み心地の面では気をつけたいポイントもあります。
とくに、建物がしっかりしているぶん構造が重く、風通しや湿気のこもり方に影響が出る場合があります。また、建築コストが高いため、同じ広さや立地でも家賃が高めに設定されることも少なくありません。
ここでは、RC造を選ぶ際に知っておきたいデメリットを、日々の暮らしの視点からやさしく整理してご紹介します。
家賃が高い傾向にある
鉄筋コンクリート造(RC造)は、鉄筋とコンクリートを組み合わせた丈夫な構造のため、建物をつくるための材料費や工事費が高くなる傾向があります。そのぶん、同じ広さ・同じ立地で比較すると、RC造のほうが家賃が高めに設定されることがよくあります。
また、気密性や静かさなど住み心地の良さから人気も高く、相場が上がりやすい点も影響しています。ただし、築年数や周辺環境によって家賃は大きく変わるため、予算とライフスタイルに合わせて比較検討することが大切です。
湿気が発生しやすくカビに注意する必要がある
鉄筋コンクリート造(RC造)は気密性が高いため、湿気がこもりやすく、季節によっては室内に結露が発生しやすいことがあります。とくに冬場は、暖房で温まった室内の空気が冷たい窓や壁に触れることで、水滴(結露)が発生しやすくなります。また、家具を壁にぴったり付けて置くと、その裏に湿気がたまり、カビが発生しやすくなることがあります。
RC造を選ぶ際は通気のしやすさや換気設備を確認し、入居後も定期的な換気や除湿を心がけることが大切です。
鉄骨造(S造)が向いている人
鉄骨造(S造)は、家賃を抑えやすく、しっかりした骨組みを備えた構造です。そのため、「できるだけ予算を抑えながら、生活に便利な場所に住みたい」という人に向いています。たとえば、通勤・通学で駅近に住みたいけれど、RC造だと家賃が予算オーバーになる場合でも、鉄骨造なら同じエリアでも手頃な家賃で見つかることがあります。
また、「広めのワンルームでのびのび暮らしたい」「自炊をしたいからキッチンの広い部屋に住みたい」といった、部屋の広さや間取りを重視する人にも相性が良い構造です。鉄骨造は1人暮らし向けの物件が多く、家賃とのバランスを取りながら選びやすい点も魅力です。
ただし、遮音性や断熱性は物件によって差が出やすいため、静かに暮らしたい人は内見時に隣室の音や窓の仕様を確認しておくと安心です。担当者に「音は気になりやすい物件ですか?」と聞くだけでも、不安を減らすことができます。
予算を大切にしつつ、立地や広さの希望も叶えたい人にとって、鉄骨造は現実的で選びやすい住まいといえます。
鉄筋コンクリート造(RC造)が向いている人
鉄筋コンクリート造(RC造)は、壁や床がしっかりしたコンクリートでできているため、音が伝わりにくく、安心して暮らしやすい構造です。そのため、「隣室の生活音が気になりやすい」「静かな環境でゆっくり過ごしたい」という人に特に向いています。
たとえば、在宅ワークが多く集中できる環境が欲しい人、夜勤の仕事で日中に眠ることが多い人、小さなお子さんのいる家庭で"音の不安"を減らしたい人など、音環境を大切にしたい人にとっては大きなメリットになります。
また、RC造は地震や火災に強い構造でもあり、「安心感のある住まいを選びたい」「賃貸でも建物の構造にこだわりたい」という人にも適しています。気密性が高く、季節による温度変化を受けにくい点も魅力で、冷暖房の効きやすさを重視する人にとっても快適に暮らしやすい傾向があります。
その一方で、家賃はやや高めになりやすいため、「多少費用がかかっても住み心地を優先したい」「静かさや安心感に価値を感じる」という人におすすめの構造です
まとめ
【鉄筋コンクリート造(RC造)】
コンクリートの壁や床でつくられた、重くて頑丈な構造。
遮音性・耐震性に優れ、外の音や上下階の音が気になりにくいのが大きなメリット。一方で、建築コストが高いため家賃はやや高めで、気密性の高さから湿気や結露に注意が必要です。
静かさや安心感を重視する人、在宅ワークや日中睡眠のある人、ファミリーにも向いています。
【鉄骨造(S造)】
鉄の柱や梁で骨組みをつくる構造で、比較的軽量。
建築コストを抑えやすく、同じ広さ・立地でも家賃が手頃になりやすい点がメリット。ただし、物件によっては音や外気の影響を感じやすい場合があります。
家賃を抑えたい人、便利な立地に住みたい人、広めの部屋を選びたい一人暮らしに特に向いています。
どちらが良いかは、予算・音の感じ方・立地・暮らし方で変わります。気になる物件は、資料の仕様確認や担当者への質問を活用し、"自分に合う住まい"を見つけてください。
















